あらすじ

神殿救護棟で働く聖女リシェルは、血と膿と灰にまみれる姿から「血被り聖女」と呼ばれていた。 彼女の祈りは美しくない。 患部を開き、呪膿を出し、血管の位置を確かめてから神に祈る。 「“治れ”では遅いので。ここの血管を、このように繋げよ、の方が神によく届きます」 だが神殿が選んだ次期聖女は、白い衣をまとった清らかな少女だった。 血を見るだけで倒れる彼女に、リシェルはため息をつく。 「祈る前に止血したらどうですか、次期聖女様」 次期聖女の祈りで塞がれた傷を切り開き、患者を救ったリシェルは、神殿から追放される。 けれど彼女は困らなかった。 「それは助かります。やっと治したい患者のところに行けますので」 リシェルが向かったのは、神殿から治療不能とされた太公様の屋敷。 七年も祈祷を受け続けていた太公様の呪いは、実は神殿の誤診によって悪化していた。 黒山羊の呪いではない。 患部から聞こえたのは、鯨の声だった。 これは、清らかではない聖女が、祈りとメスと民話の知識で、救えなかった患者を救いに行く話

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小説を読もう2026/05/12
  • 現在の作品血被り聖女は神殿を追放されたので、患者を治しに行きます 〜次期聖女様、祈りの前に止血をしたらどうですか〜