あらすじ
婚約者である第二王子に追放され、極寒の北辺境へ嫁ぐことになった公爵令嬢アメリア。
北の地にたどりついた彼女は、泣き暮らすどころか、まず思った。
――寒い。お風呂がしょぼい。ごはんがイマイチ……。
いろいろと素材は悪くないのに!
前世は一流外資系企業でならした敏腕秘書。
転生後はその経験と知識を活かし、王都でも新しい流行を生み出してきたアメリアは、発展途上の辺境でも“快適な暮らし”をあきらめない。
冷え切った城の暖房改革。
ゴワゴワ寝具の改善。
素材は絶品なのに活かされていない北の食文化。
騎士団の冷たいまかない飯――。
「人間は衣食住が整ってこそ、安心して生きられるのです!」
一方、彼女を迎えたのは、“北の黒豹”と恐れられる冷酷無愛想な辺境伯クラース。
「余計なことはするな」
「飯は腹が膨れればいい」
そう突き放されても、アメリアはめげない。
これは、追放された令嬢が、発展途上の辺境で人々の暮らしを少しずつ変えながら、不器用な辺境伯の心までじんわり溶かしていく物語。