あらすじ
『ああ、愛しの阪神タイガース』
この物語の主人公・山下虎吉(51)は、
大阪・西成で小さな印刷工場を営む、どこにでもいそうな中年の親父……
に見えるが、実態はまったく違う。
彼は、
阪神タイガースに人生を救われた男である。
1985年、バックスクリーン3連発を父と見たあの日。
母を亡くして心に穴が空いていた少年は、
阪神の勝利に泣き、笑い、叫び、そして生き返った。
それから40年。
虎吉は今もなお、
阪神を愛しすぎて人生をこじらせ続けている。
朝起きて阪神。
仕事中に阪神。
家族に怒られても阪神。
WBCでも阪神。
もはや阪神が“宗教”と呼ばれても仕方がない。
しかし、そんな虎吉の姿は、
笑えるだけの“阪神バカ”では終わらない。
父の認知症。
娘の恋愛。
工場の経営危機。
家族のすれ違い。
人生のあらゆる場面で、
虎吉は1985年の記憶とともに立ち上がる。
バースが幻で現れ、
掛布が現代語でツッコミ、
岡田が渋い顔でアドバイスしてくる。
(全部、虎吉の妄想である)
笑って、泣いて、また笑う。
阪神を愛しすぎた男の、
家族と仲間と人生の物語。