あらすじ

彼の名字は誰も知らない。  教師も、ウシトラの名字を呼んでいるところを見た者はいない。  なぜそれで許されているのかも、誰も知らない――。  ひょろりと伸びた長い手足、猫っ毛の少し伸びた黒髪、切れ長の瞳。 「さあ。そんなことよりも、六那さま。そろそろ、屋敷のものが迎えに参りますが」  坂名財閥の令嬢である六那は、登下校も家の車だった。  しかし、六那はいま、それどころではない。  ティーカップをソーサーに戻すと、ひかえているウシトラを見あげた。 「あーもう。今日は、送迎いらない。あたし、用事ができたからさ!」 「はあ? しかし、もうこちらに向かってますが」 「ウシトラ。あなたの主人が、いいといってるの! 送迎車は帰らせてね」 「用事って、なんなんですか。もう、部活は終了する時間ですよ」  立ちあがり、部室から出て行こうとする六那を、ウシトラはあわてて引き留める。 「まさか、また勝手に探偵ごっこをするつもりですか」 「ごっことは失礼な!」 イラスト:ノーコピーライトガールさま

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エブリスタ2026/05/11
  • 現在の作品彼女の執事はナゾトキタイムに紅茶を淹れる