あらすじ
王都アルヴェリアでは、近頃“怪異”が噂されていた。
水面に本当の顔を映された者は死ぬ――
夜の学園に現れる亡霊――
名前を呼ばれると消える生徒。
人々が怪異に怯える中、王国の治安を担う第三王子ルシアン・アルヴェリアの元へ、不可解な事件が次々と舞い込む。
その傍らにいるのは、婚約者である侯爵令嬢セレネ・ヴァルキュリア。
月のような美貌を持ちながら、感情をほとんど表に出さない彼女は、怪異を前にしても決して怯えない。
「怪異なら、もっと上手く殺します」
まるで人の悪意と怪異の本質を知っているかのように。
学園時代、“完璧な婚約者”として隣にいた彼女を、ルシアンは何も知らなかった。
だが怪異事件を追う中で、少しずつ見えてくる。
彼女が隠している秘密。
この世界には存在しないはずの知識。
そして、“本物の怪異”の存在を――。
これは、
感情を閉じ込めた侯爵令嬢と、
彼女を理解したいと願う第三王子が、
王都に潜む怪異の真実を暴いていく物語。