あらすじ

カリオル伯爵家の長女リュディアナ・カリオルは、家族から「不器用な姉」と笑われて育った。 刺繍をすれば糸目が曲がる。 菓子を焼けば形が崩れる。 手紙を書けば堅苦しくなり、笑えばぎこちない。 一方、妹のミナリエは何をしても可愛い。 少し失敗しても「愛嬌」と許され、同じことをリュディアナがすれば「情けない」と笑われる。 そんなある日、妹は若き公爵オルフェラン・ザイルハルトに恋をする。 家族は当然のように、ミナリエを公爵夫人にしようと動き出す。 だが、オルフェランが大事にしていたのは、完璧な贈り物ではなかった。 幼い日のリュディアナが、捨てようとしていた失敗作。 歪な刺繍のハンカチ。 形の崩れた蜂蜜菓子。 堅すぎる見舞いの手紙。 誰もが笑ったそれらを、公爵は鍵付きの小箱に入れて、十年以上も大事に保管していた。 「俺が初めて、人として扱われた日の証だから」 妹が恋した公爵様は、妹ではなく、姉の失敗作だけを覚えていた。

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カクヨム2026/05/11
  • 現在の作品妹が恋した公爵様は、私の失敗作だけを大事に保管していました