あらすじ
この世界では、言葉は現実を書き換える力を持つ。
とりわけ詩的で美しい叙事詩は、神々や精霊を動かす“最高級の魔術”となる。
しかしその力には、必ず 代償(ツケ) が伴う。
詠唱の揺らぎ、噛み、言い間違い——
その歪みは術者の喉を焼き、声を奪う。
少女 ノエル・ブライトガーデン は、
完璧な術式を書き上げながら、声にだけ“揺らぎ”を抱える異端の天才。
学院では落第生と呼ばれた彼女の詠唱は、
実は神霊と最短距離で繋がる“奇跡の回線”だった。
彼女の代償をすべて肩代わりするのは、
沈黙の師 アルド。
喉の枷を通じてノエルの痛みを引き受け、
声を失いながらも、彼女の詩を世界へ届け続ける。
詠唱は命令ではなく、神霊との外交(接待)。
神々はノエルの詩に笑い、泣き、怒り、時にご祝儀をくれる。
噛めば利息が跳ね上がり、成功すれば世界が救われる。
そして訪れる、三十分間の奇跡——
万象浄化の叙事詩(グランド・アリア)。
少女の声と、沈黙の師と、神々の光が交差する瞬間、
世界は新たな形へと書き換えられる。
これは、
言葉と声で世界を救う、師弟二人三脚の詩学ファンタジー。