あらすじ

彼女は、ただ愛しい人に会うために、少女であることを捨てた。 戦時下の海辺の町。花屋の娘・紗和は、丘の桜の下で出会った軍人・蓮司に淡い恋心を抱く。しかし、時代の波は二人の穏やかな時間を許さず、蓮司には出征命令が下ってしまう。 「待っているだけなんて、嫌。生きているのかだけでも知りたい。もし苦しんでいるなら、そばにいたい……!」 募る想いを抑えきれず、紗和は髪を切り、男装して軍隊へ入隊するという無謀な決断をする。地獄のような訓練を耐え抜き、ついに過酷な戦場で蓮司との再会を果たした。だが、彼は紗和の正体に気づかない。上官と部下として過ごす危険な日々の中、蓮司は紗和の佇まいに、ふと故郷に残した少女の面影を見る。「お前、なんか女みたいだな」――その一言が、二人の運命を大きく揺るがしていく。 愛する人を守るため、彼女が選んだ道の先に待つものとは。昭和の時代を懸命に生きた二人の、切なくも美しい愛の物語。

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カクヨム
カクヨム2026/05/11
  • 現在の作品花泥棒は、桜の下で春を待つ