あらすじ
無能なΩとして実家で虐げられ、使用人以下の扱いを受けてきたシエル。
厄介払いのように北の辺境を治める「冷酷無比」と噂のルシアン・オズワルド公爵の元へ嫁がされることになった。
初夜すら放置され、凍えるような冷たい部屋と食事を与えられる日々。
生きるために真夜中の厨房に忍び込み、自分を温めるためのささやかなスープを作ったシエルは、吹雪の中で倒れていた巨大な白狼(ブラン)を助け、温かい食事を分け与える。
しかしその翌朝、厨房に現れたのは冷酷なはずの公爵・ルシアンだった。
罰を覚悟して震えるシエルだったが、ルシアンはシエルの作った質素なスープを飲み干し、不器用にその味を褒め称える。
「……美味い」
実はルシアンは、領民を愛するがゆえに厳格に振る舞う、ただの「絶望的に不器用な男」だったのだ。
温かい料理を通じて、少しずつ溶け合っていく二人の心。
やがて訪れるオメガバース特有の「発情期」の熱の中で、ルシアンは本能を理性の力でねじ伏せ、ただひたすらにシエルを慈しみ、守り抜く。
「君は私の魂の半身であり、生涯をかけて愛し抜くただ一人の番だ」
これは、実家から捨てられた不遇のΩが、極寒の地で極上の温かい居場所と、発情期よりも甘い永遠の愛を手に入れるまでの、優しくて美味しい雪解けの物語。
※本作はR15作品です。