あらすじ
かつて、アレン・グレイスは神童と呼ばれていた。
聖書を媒体にした神聖術は規格外。
礼儀正しく、誰よりも弱者を思いやり、将来は教皇となって虐げられた人々を救うのだと信じていた。
だが、彼が父のように慕った老勇者グラントは、腐敗した貴族と教会の陰謀により処刑される。
アレンは祈った。
何日も、何晩も祈り続けた。
しかし奇跡は起きず、彼の目の前で師の首は落とされた。
神の名を語る者たちは笑っていた。
正義は汚され、祈りは届かず、神童だった自分は何もできなかった。
その夜、アレンは聖書を下水へ投げ捨て、信仰を捨てた。
それから数年。
彼は酒にだらしなく、口も悪い破戒僧となっていた。
それでも、弱者が踏みにじられる場面だけは見過ごせない。
祈りは捨てた。
聖書も捨てた。
だが、救いたい心だけは捨てられなかった。
そんなアレンの隣には、いつも妹弟子のリナがいた。
口うるさく、世話焼きで、彼を見捨てなかった相棒。
そして彼女は、アレンが再起するのを信じ待ち続けていた。
悪王カイゼルとの対決。
領主となったアレンの領地再建。
魔族・破戒僧・悪王・豪傑たちのそれぞれの正義がぶつかりあう。
そして魔族強硬派の大侵攻。
祈れなくなった破戒僧は、もう一度、誰かを救うために祈れるのか。
これは、神を捨てた男が、拳と相棒と、捨てきれなかった祈りで世界を救う物語。