あらすじ
岩手県K市に住む十全宗一郎(じゅうぜんそういちろう)(53歳)は、大手警備会社K支店で警備員をしている。
ある日、会社に訳ありの施設警備の仕事が舞い込んできた。
トンネル工事を請け負う建設現場から、お盆中の宿舎(鷹高寮)の巡回警備を頼まれたのだが、その現場では一年ほど前から事故が続出していたのである。髪の長い女の幽霊が現れたとか、夜中に赤ん坊の鳴き声が聞えてきたとかという噂も流れており、写真週刊誌で『呪われた工事現場、怨念が事故を呼ぶ』というタイトルで、特集されたというオマケもついていた。
宗一郎と同僚たちは、そんな祟られた現場には、仕事であろうとも行きたくはない。
が、支店長の一喝で、その恐ろしい現場に、宗一郎が行くはめになった。
初日、寮の責任者に寮内を案内された宗一郎は、いきなり、死体と対面してしまう。
201号室で死んでいた疋田(ひきた)という男は、毒殺されていた。
殺された死体の発見に驚く宗一郎の前に、過去の事件で知り合った二人の刑事が現れた。
互野(たがいの)という五十代の刑事と保坂(ほさか)という二十代の刑事は、大手警備会社K支店で事務員を勤めていた女が起こした保険金目当ての殺人事件の一件で、宗一郎と面識があり、宗一郎がその事件の解決に力を貸してくれたのだ。
事件現場は密室であり、殺害されていた疋田という男は、誰にでも好かれる男だったと言う。事件の解決に時間がかかると思った互野、保坂の両刑事は宗一郎に協力を求めることにした
互野と保坂の二人の刑事は、死体の第一発見者である鷹高寮の責任者、多田と寮の賄い婦であった川畑、佐野、吉川と警備員の宗一郎を、再び、事件が起こった鷹高寮の二階に集めて、再現検証をする。
再現検証をする前に、殺された疋田と口論していたという森という青年の存在が確認され、互野と保坂は、森を鷹高寮に呼びつけたが、二人が第一発見者たちと再現検証をしている間に、森が寮から逃走してしまう。保坂が森を捕まえるために制服の警察官と鷹高寮を出て、再現検証の方は、互野を中心にして行われた。
宗一郎は、その再現検証で事件の解決となるヒントをつかむ。
盟友である萬の協力で、宮城県から探偵である港雄一を迎えた宗一郎は、互野、保坂、港とともに事件の実証をすると、三年前に起きた不幸な事故が、その裏に隠されていることを知ることとなる。
連続して起きた事故と怪談話は、毒殺された男とどんな関係があるのか?
殺人事件に関わってしまった宗一郎は、犯人を見つけ出せることが出来るのか?
物語は様々な人間模様を描いて進んでゆきます!