あらすじ
銃の台頭によって魔術の権威が揺らぎ、戦争の形が変わりはじめた世界。
人間至上主義を掲げる『エト帝国』の陸軍中尉クランツァ・ハザリーは帝国の裏切り者として追われ、隣国で静かに暮らしていた。ただただ生きているだけの何もない日々を過ごす彼の頭には、ある一つの問いが延々と渦巻いていた。
「なぜ生きなければならない」
母さんを撃って生き残った。
少年兵になっても生き残った。
どんな過酷な戦場でも生き残った。
怪物と戦っても、戦争病になっても……まだ生きている。
恐怖も痛みも存在しない。
生きる意味も存在しない。
すべて脳が作り出した幻でしかない。
クランツァは無意味な世界に疲れ果て、自決を選ぶ。しかし偶然出会った魔女が運命を変えてしまう。魔女から『永遠の呪い』をかけられ、クランツァは不老不死となった。
永遠に生きる。
それは死を懇願したクランツァには絶望的な呪いだった。だが彼は信じなかった。彼にとって死は必然であり、不死は空想。人は例外なく死ぬ。呪いに確信を持てぬまま、やがてクランツァは最後の戦争へと導かれてゆく――。
※本作はカクヨムにて投稿中の作品を遅れて「小説家になろう」に投稿しております。
【人物】
第1部
クランツァ・ハザリー……エト帝国陸軍出身の青年
メア・リスラン・ツカクインテ……エト帝国北東部出身の魔女
オルト・ゲラス……ラマチェフ共和国の精肉店店主
ブーチョ・ガド・エーントール……ラマチェフ共和国の高齢爬虫人