あらすじ

断罪される日を、私は待っていた。 前世の記憶が戻ったのは一ヶ月前。 この世界は乙女ゲームの中で、私は婚約破棄される悪役令嬢。 だから抵抗しない。断罪されれば、継母の支配から逃げられる。 計算通り、王太子は舞踏会で婚約破棄を宣言した。 微笑んで一礼した。泣くつもりはなかった。 それで終わるはずだった。 護衛騎士が、剣を抜いた。 騎士団長クロヴィス。ゲームでは攻略対象ですらない。 イベントCGは一枚もない、名前だけのサブキャラ。 その男が王太子に刃を向けて、私の前に立った。 なぜ。 理由を聞いても答えない。 職を辞して、追放先の辺境までついてくる。 荒れた領地で薪を割り、帳簿を直し、怪我をした銀狼の子供を拾ってくる。 無表情のまま、誰よりも行動で示す男。 ゲームにないイベントが続く。 攻略wikiに載っていない感情が胸に溜まる。 この人が何を考えているのか、四年間そばにいてもわからない。 わからないのに、いなくなったら怖いと思った。 それがどういう意味なのか。 私はまだ、名前をつけられずにいる。

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小説を読もう2026/05/11
  • 現在の作品断罪されるはずの悪役令嬢ですが、騎士団長が離してくれません