あらすじ
「あなたがわたしの夫になるの?」
十八歳のカエデラは山奥の小国の姫。領土のおまけとして、隣国の第二王子に嫁ぐ。
「故郷の領土をとり戻してやる」と意気ごむ彼女を待っていたのは、夫からの妙に熱のこもった視線。愛のない政略結婚のはずが、夫の様子がどうもおかしい。
〈梗概〉
山奥の小国の王女カエデラは隣国へ嫁ぐ。持参金として母国の領土を奪われることに怒り、いつか領土を取り戻そうと大望を抱く。
結婚相手の隣国の第二王子ワルターは、遊び好きの明るい青年で、まだ見ぬ妻を田舎者と馬鹿にしていた。だが結婚式でカエデラを見たワルターは、彼女に一目惚れをする。カエデラは初夜のワルターが手慣れたようすだったことに嫌悪感を抱き、ふたりの気持ちはすれ違う。
カエデラは周囲から馬鹿にされながらも、異国の宮廷生活に慣れようと奮闘する。やがてワルターの愛情に気づきはじめるが、心が通うかと思われたとき、母国の父が亡くなったという報せが届く。気落ちしたカエデラは義姉の王太子妃になぐさめられ、友情を得る。
カエデラの母国の軍が、大国と手を組んで攻め込んできた。王位を継いだ弟の策略だった。
ワルターの兄である王太子が戦いで命を落とし、第二王子だったワルターが王太子となる。カエデラは敵国出身の妃として周囲からうとまれ、ワルターの側近から、離婚して修道院へ入れと命じられる。カエデラは王宮の厩舎に火をつけ、混乱のすきに王宮を脱出する。
母国へ逃げる旅の途中、小さな村で助けられ、ワルターの子を出産をする。偶然村を訪れたワルターにみつかりそうになるが、カエデラは逃亡する。
戦が終わり三年が経ったころ、カエデラは子とともに母国で穏やかに暮らしていた。
国王の結婚式に参列するために、元夫のワルターがやってきた。四年ぶりに会ったワルターは陰鬱な性格になっており、カエデラは彼に同情し、心を惹かれる。
国王の結婚に反対する一派によって、祝賀の狩猟が襲撃される。混乱のなかでワルターはカエデラをかばい、彼女を逃がす。カエデラは援軍を連れてワルターを助けに戻り、怪我をしたワルターを救出する。看病するカエデラに、ワルターはまだ愛していると告げる。カエデラはワルターの愛を受け入れ、隣国へふたたび嫁いだ。