あらすじ
祖母の遺した古い家「桜坂の家」を片づけるため、雨宮凛は久しぶりにその家を訪れる。
庭には大きな桜の木があり、本の間からは「また春に」と刻まれた銀の栞が見つかった。
やがて凛は、家に残された手紙や帳面、写真を通して、かつてこの家で生きた三つの春の記憶に触れていく。
大正では兄妹、昭和では親子、平成では女友達。
二人は時代ごとに与えられた最も近い関係の中で深く惹かれ合いながらも、いつもあと少しのところで想いを言えず、間に合わないまま別れてきた。
前世の記憶などない。
それでも令和、凛は文化保存課の榊湊と出会い、初めて会った気がしない懐かしさを覚える。