あらすじ
ロボット戦争が続く近未来。
旧東都化学複合区には、ロボット軍の自己修復機能を一時停止させるためのコードが残されていた。
それを回収する任務を与えられたのは、口が悪く小柄な少女兵・黒瀬ミオと、戦場では役に立たない元化学研究者・葛城修一。
ミオは撃つことしかできない。
葛城は戦えないが、ロボット軍を壊すための知識を持っている。
二人は、自己修復する四脚機、人体を分解する霧、死体を材料として回収する機械たちが徘徊する施設を進んでいく。
人を救うために作られた化学技術は、いつしか人を殺し、回収し、再利用する兵器へと変わっていた。
葛城はその技術に関わった過去を抱え、ミオは機械のない幸せな記憶を持たないまま戦場で生きている。
軽口を叩きながら進む二人。
だがミオには、最後まで使わずに残している薬があった。
幸福な記憶を五感ごと再生する薬、リコール。
作戦は成功する。
人類は勝利へ近づく。
けれどその朝は、すべての人間を救ってくれるわけではなかった。
少女兵が最後に願ったのは、勝利ではない。
機械のない時代に、生まれ変わることだった。