あらすじ
大学のサークル新歓行事で、就活意識高い系集団「GLL」に連れられてテレビ局のスタジオへ。LSDを飲まされ、気づいたら価格当てゲームショーの舞台に立っていた。
米、じゃがいも、卵——食べ物になる前の、まだ何にもなっていないものたちの値段を次々と当てさせられる。スマホ越しに母が助言を送ってくる。先輩が怒鳴る。ライトが点いたり消えたりする。
頭上の照明から、切削油と金属の匂いがしてくる。
父が帰ってくるのはいつも夜の七時だった。玄関を開けると、あの匂いがした。高熱の夜、父が隣でテレビを見ていた。「あの人当たりそう」と言うと、父は「そうだな」と言った。それだけだった。熱が下がった。
最終ステージで俺は叫ぶ。1兆3千億4百万円と、99銭。
父からは何も来なかった。