あらすじ
にいがたショートストーリープロジェクト投稿作品
https://www.wavecreation.jp/story/
あらすじ
3DプリンタとAIが世界の覇権を握り、「職人の手仕事」が過去の遺物となった近未来。
重い雪に閉ざされた新潟県・燕三条の片隅で、昔ながらの鉄工所を営む男・源三のもとに、一人の客が現れる。
透けるような白い肌に銀髪。そして左腕からは青白い冷却液を滴らせていた。 彼女は、脱走した最新式の軍用サイボーグ。
「完璧な計算で作られた金属は、完璧な計算で破壊される」
システムの追撃を出し抜くために彼女が求めたのは、電子の計算式では予測できない不均一な「ムラ」を持った、昔ながらの「鍛造の骨」だった。
源三は彼女を「ツバメ」と名付け、絶対零度の静寂に包まれた雪国で、灼熱の炎とともに鉄を打ち始める。
機械の少女に欠けていたのは「熱」。 雪国のおっさんが打つ荒々しい鋼鉄の腕と、伝統の『燕三条系背脂ラーメン』が、感情のないサイボーグの胸の奥底に確かな火を灯す。
豪雪地帯を舞台に、頑固な鍛冶職人と冷徹な兵器少女が交差する。 これは、機械と計算の世界で「人間の熱」を叩き上げる、魂のハードボイルド・サイバーパンク!