あらすじ

高校を中退し、曖昧な日々を生きる龍は、夏の終わりに一人の少女を失った。 厳格な母親の期待を背負い、「ちゃんとした優秀な娘」として生き続けた彼女。 予備校帰り、「帰りたくない」と呟いた彼女を龍は拾い、自分の部屋へ連れて行く。 逃げ場のように始まった関係は、やがて依存へ変わっていった。 龍は、最後の夜に彼女を帰し、 その翌朝、花音は死んだ。 ――数週間後。 花音の葬式で一度だけ見かけた妹・乃々華から、突然連絡が来る。 「今、行っていい?」 姉とは違い、期待されることもなく育った乃々華。 龍は拒まない。 今度こそ突き放してはいけない気がしたから。 静かな同居生活の中で、乃々華は少しずつ龍へ依存していく。 そしてある日、龍の背中に刻まれた勿忘草のタトゥーを見つける。 それはかつて、花音と龍が“同じ場所”に刻んだものだった。 「そこなら、バレないから」 親に隠すため。 傷を覆い隠すため。 壊れていくための印。 これは、救えなかった人間たちが、 何度も“同じ場所”へ戻ってしまう物語。

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カクヨム
カクヨム2026/05/10
  • 現在の作品忘れないで、なんて