あらすじ

僕はあの日生まれて初めて人の肉を食べた。 食人、カニバリズムなんて言われてるその行為を不本意ながらではあるがしてしまった。 細雪が降り本格的な冬が始まる事を実感する日、僕は学校に行く道の途中踏切でスマホを弄りながら踏切のバーが上がるのを待っていた。 降りしきる雪、赤くなる頬、吐くたび白くなる息かじかんだ手。 何気ないいつもの日常で始まって終わる、そのはずだった、それが一気に変わったのはそのすぐ後だった。 急に周りの人が叫びだした、それと同時に電車が大きな警告音を鳴らした。 なんだと思い僕はスマホから目を離し前を向く、その行動を今後一生外後悔するとは知らずに。 聞きなれない、大きな音鈍く重く嗚咽すら覚えるその音は今後永遠に僕の耳の中で反響し続ける。 途端僕の頬には体温の通ったとても暖かな液体が付着する。 僕は驚きのあまりその場に倒れ込み呆然としながら大口をあけていた、足元に伝ってきた赤い鮮血は僕の周りに跋扈する。 すると、どんな神のいたずらか宙を舞ったその肉の断片が僕の口の中に入り込み、そして飲み込んでしまった。 僕はそれを拒否しないといけなかった、衣服のついた肉片は黄色い脂がのっていて、見る者はそれをグロテスクと言うのだろう、避けるのだろう。 ただ僕はそれを受け入れてしまった、その肉片を咀嚼せず飲み込んで……おいしいと思ってしまった。 途端僕の何の変哲もない平凡な日常が非日常に変わり果てた。 きっとあの時僕はそれに魅了されてしまったんだと思う。

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小説を読もう2026/05/10
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