あらすじ
都内のデザイン会社で働く二十五歳の青年・朝比奈 蓮(あさひな れん)は、人付き合いが得意ではない。
仕事を終えて帰宅し、静かな部屋で過ごす深夜だけが、唯一気を抜ける時間だった。
そんなある夜。
何気なく開いたSNSで、蓮は一人の女性の投稿に目を留める。
『今日もお疲れさま。』
コンビニ帰りの夜道と、温かい缶コーヒーの写真。
たったそれだけの投稿なのに、不思議と心に残った。
投稿者の名前は、「美月(みづき)」。
日常の小さな寂しさや、疲れた夜の気持ちを、飾らない言葉で綴る彼女に、蓮は少しずつ惹かれていく。
やがて二人は、DMを通して言葉を交わすようになる。
眠れない夜の会話。
他愛ない通話。
「おやすみ」を送り合う毎日。
距離は少しずつ縮まっていく。
けれど、蓮の想いが深くなるほど、彼の中には独占欲と不安が生まれていく。
“君の特別になりたい。”
“他の誰かに笑わないでほしい。”
重いとわかっているのに、抑えられない感情。
そしてある夜。
蓮は、美月が誰かと楽しそうに過ごしている投稿を見てしまう――。
これは、不器用な二人が、“好き”を知っていく、深夜の恋の物語。