あらすじ
聖女リシェルは、“歴代最高の聖女”と呼ばれていた。
傷を癒し、穢れを祓い、人々を救う奇跡の力。
誰もが彼女を愛し、敬い、世界の希望として崇めていた。
だが、その力には秘密があった。
聖女の浄化は、“愛”を糧に発動する。
人を愛するほど力は強くなる。
そして同時に、穢れもまた聖女へ引き寄せられていく。
やがて聖女は、穢れに侵され壊れてしまう。
その真実を知ってしまった青年霊媒師ノアは、禁忌を犯した。
――聖女から“愛”を祓ったのだ。
それから聖女は変わった。
誰にも笑わなくなった。
誰にも心を寄せなくなった。
人々は愛を失った聖女を恐れ、やがて王都から追放する。
それでも。
祓ったはずの想いだけは、最後まで消えることはなかった。