あらすじ

東京の路地裏にある万年筆修理店「箕輪堂」。店主の箕輪綴には、インクの匂いから書き手の感情を読み取る特異な体質があった。  ある日、冷然とした美女・小笠原青子が持ち込んだのは、無残にペン先をへし折られた名品、モンブランのマイスターシュテュック149。彼女の父——日本有数の大企業グループ創設者が、生前に愛用していた遺品だ。  遺言書の手がかりを探して欲しいという依頼の裏に、綴は万年筆に残留したインクの匂いから、ある真実を嗅ぎとる。  老いた父は、なぜ最愛の相棒を自ら壊したのか。「Dear Blue」と名付けられた手製のインクは、誰のために調合されたのか。書けなかった言葉は、消えてしまったのだろうか——。  不器用な愛と、遅すぎる赦しをめぐる、一杯のインクの物語。

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カクヨム
カクヨム2026/05/10
  • 現在の作品Dear Blue