あらすじ
この国で、“婚約”は絶対だった。
貴族同士の婚約は、ただの約束ではない。
王家の加護によって結ばれた神聖契約。
家同士を繋ぎ、魔力循環を安定させ、王国そのものを支える巨大な儀式の一部。
だからこそ、一方的な婚約破棄は禁忌。
契約を破った貴族は、王家の加護を失う。
そして――全てを失う。
ある日、第一王子レオニスは舞踏会の場で侯爵令嬢リリアーナとの婚約破棄を宣言する。
愛する男爵令嬢と結ばれる為に。
だがその瞬間、王子から王家の加護が消失。
王国中の魔力循環は乱れ、結界は崩壊を始める。
婚約とは、恋愛ではない。
それは国を維持する為の契約だった。
これは、“婚約破棄”の本当の意味を知らなかった愚かな貴族達と、
最後まで王国を支え続けた一人の令嬢の物語。