あらすじ
王都の片隅にある小さな店「工房アロマドロップ」。
店主のアルドは、亡き父から受け継いだ「品質こそすべて」という教えを頑なに守り抜く錬金術師です。
効率と大量生産が主流となった現代において、手間暇をかけて不純物を取り除く彼の製法は「時代遅れ」と笑われ、工房はいつも閑古鳥が鳴いていました。
ところがある日、王都のポーション市場を牛耳る大手ギルドの工場で大規模な魔力暴走事故が発生。 街からポーションが消え去るという異常事態に陥ります。
困り果てた人々が藁にもすがる思いでアルドの工房を訪れた時、彼らは知ることになります。
利益度外視で作られていたアルドの薬が、大手の粗悪品とは比べ物にならないほどの圧倒的な効果と、副作用のない奇跡の治癒力を持っていたことを。
「利益のために質を落とす気はありません」
大口契約の誘惑も、巨大組織からの不当な圧力も、海外からの黒船の襲来も。
アルドはただ己の信じる「最高の品質」と「職人の誇り」だけで、すべての困難を鮮やかに打ち破っていきます。
やがて彼の作る至高のポーションは、死に瀕した王女の命をも救い、世界中から賞賛を浴びることに。
これは、真面目すぎる一人の錬金術師が、己の腕一つで世界中を癒やし、成り上がっていく極上の生産系ファンタジーです。
【登場人物紹介】
◆アルド
王都の片隅にある「工房アロマドロップ」の店主兼錬金術師。19歳。亡き父の跡を継ぐ。「品質こそすべて」という職人気質で、効率よりも効果を重視するため、大量生産が主流の現代では時代遅れと笑われていた。真面目で温厚だが、薬作りに関しては頑固。
◆ミナ
アルドの幼馴染で、工房の経理と接客を担当する看板娘。18歳。明るく現実的な性格で、いつも赤字ギリギリの経営に頭を抱えているが、アルドの作る薬の凄さを誰よりも理解している一番の理解者。
◆ガストン
最大手「ソラリス錬金ギルド」の工場長。利益至上主義で、アルドの小さな工房を見下している。今回の騒動の発端となる人物。