あらすじ
それは、まだ世界が「カタチ」を持ちきっていなかった時代の記憶。
光と闇の境界は曖昧で、生と死さえも緩やかに混じり合っていた。秩序は脆く、理は揺らぎ、ただ存在することそのものが奇跡であり、同時に呪いでもあった。
その混沌の只中に、ひとつの終わりが訪れる。
破滅竜『ヴェネクト』
その名は恐怖として語られ、その影は大地を覆い、空を裂き、海を煮え立たせた。竜はただ存在するだけで世界を歪め、怒りのままに暴威を振るい、あらゆる命を無価値な塵へと変えていった。人も、魔も、王も、神話でさえも――その咆哮の前では等しく無力だった。