あらすじ
「融合転移(メルト・シフト)」。
それはかつて現実と呼ばれた世界で起こった異常現象。
一夜にして数百の異なる世界の山岳、浮島、都市などが出現してしまったのだ。
獣人。魔法使い。龍。サイキック。怪異。メガロポリス。アンドロイド。宇宙人。
のちに「原界(オリジン)」と呼ばれる現実世界の人類は結果として異世界に蹂躙された。
何故なら原界種は異世界との適応力がずば抜けており――彼ら彼女らと「交わって」生まれた子供は優秀だからだ。
他にも今までの食べ物が口にできなくなるほどの「味」や異世界の技術との「同化率の高さ」が目をつけられた。
つまるところ、現実は異世界の“資源”となったのだ。
となれば資源をめぐって争いが起こるのは必然。
こうして地球を舞台に多くの世界の文明が崩壊、国家も宗教も再構築を余儀なくされていく。
そして百年に及ぶ争いの果て、ようやく「平和の象徴」として設立されたのが――学園都市「アルコ・ノア」。
されど争いは続く。
混ざった世界では価値観の違いによる諍いやテロの勃発が絶えないが、何よりも未だに「融合転移」が続くことが問題だった。
さすがに大昔の現象を比べれば小規模であるものの、転移してくるのは原界種ばかり。
「アルコ・ノア」でも「融合転移」が発生し、その原界人種をめぐってトラブルや事件が今日も起こるのだった。
――これはそんな学園都市の片隅で起こった、ある宿敵たちの話である。