あらすじ
病に伏す弟の治療費と引き換えに、没落した名家のオメガ・柊湊は、国内最大のコングロマリットを束ねる若き総帥・九条煌河の元へ嫁ぐことになった。
絶対的な権力と富を持つ煌河は、過去の裏切りから誰も信じない冷酷無比な「氷の王」。
彼が湊に求めたのは、優秀なアルファの血を引く跡継ぎを産むことだけ。愛のない政略結婚、道具としての扱い。
湊は自らの運命を受け入れ、冷たい檻のような屋敷でひっそりと生きる覚悟を決めていた。
しかし、二人が肌を重ねた夜。
運命の番としての強烈なフェロモンの共鳴が、煌河の冷たい理性を狂わせていく。
湊の不器用な優しさと、柔らかな沈丁花の香りが、少しずつ氷の城壁を溶かしていき……。
「お前は、俺のものだ。俺以外の誰にも、お前の指一本触れさせない」
冷徹だったはずの旦那様は、いつしか湊に対して狂おしいほどの執着と極上の溺愛を向けるようになり——。
傷ついた二人の心が寄り添い、真実の愛と家族の絆を手に入れるまでの、甘く切ないオメガバース・シンデレラストーリー。
※この作品には、性的描写、暴力描写、残酷描写などの表現が含まれています。15歳未満の方の閲覧はご遠慮ください。
【登場人物紹介】
◇柊 湊(ひいらぎ みなと)
没落した名家の生まれであるオメガ。
二十二歳。
儚げな外見とは裏腹に、芯が強く家族思い。
借金返済と引き換えに煌河の元へ嫁ぐ。
自らの運命を受け入れ、冷たい扱いを受けても決して恨み言を口にしない健気さを持つ。
ふわりと香る、雨上がりの沈丁花のようなフェロモンを持つ。
◇九条 煌河(くじょう こうが)
国内最大のコングロマリットを束ねる若きアルファ。
二十八歳。
絶対的な権力と富を持つが、過去の裏切りから誰も信じず、他者を徹底的に見下している。
冷酷無比な氷の瞳を持つ。
オメガは跡継ぎを産むための道具としか考えていなかったが、湊の存在によってその価値観が激しく揺さぶられていく。
凍てつくような、しかし芯に熱を秘めた深い森のフェロモンを持つ。