あらすじ
「あなたを哀れんでいるのではありません。──敬っているのです」
十五で政略結婚し、夫に愛されぬまま未亡人となった公爵夫人シルヴィア、三十八歳。
幼い子どもたちと領地を守るため、彼女は「氷の女領主」と呼ばれることを選んだ。誰も信じない。誰にも縋らない。それが、生き抜くということだった。
──そんな彼女の前に現れたのが、十二歳年下の家庭教師オリヴィエ。
穏やかで博識、料理もできて、子どもたちにも優しい。あまりに理想的な青年。
けれど彼の正体は、亡き公爵の不審死を追う、王命の調査官だった。
「あなたも、お子さまたちも──家族ごと、守りたいのです」
また利用されるくらいなら、誰も信じない。そう決めていたのに。
真っ直ぐな青い瞳が、髪に混じる白髪一本さえ「美しい」と言う。
夫の死に潜む陰謀。義弟の執着。奪われかける領地と、子どもたち。
傷ついた未亡人と、年下の天才が、共に真実を暴き、新しい家族になるまで──
「私は若さで、あなたを見ていません。あなたという人生に、心を奪われたのです」
溺愛と再生の、二度目の恋物語。