あらすじ

放課後に遊ばない。 恋愛に浮かれない。 部活にも、クラスにも、必要以上に熱を持たない。 それなのに、彼の周りだけ、いつも誰かの青春が始まってしまう。 男子バスケ部。 放課後はすぐ帰るし、クラスの輪にも自分から入らない。 夜は当たり前みたいにアルバイトをしていて、休日も働いていることが多い。 近寄りがたい。 怖そう。 何を考えているかわからない。 クラスメイトたちは、最初そう思っていた。 駅前で偶然見かけた、制服とは違う横顔。 何気なく返された一言。 近すぎた距離。 触れた体温。 たったそれだけのことで、誰かの日常が少し狂いはじめる。 彼怖がっていた女子が、目で追うようになる。 彼を観察していたクラスメイトが、見なかったことにできなくなる。 彼を対等に扱っていた男子さえ、ときどき距離を測り損ねる。 二年九組では今日も、誰かが神代瑠衣の話をしている。 恋愛とも友情とも言い切れない感情。 噂、視線、沈黙、勘違い。 本人の知らないところで、教室の空気だけが少しずつ変わっていく。 “青春の中心”には立たない少年の物語。 だけどきっと、誰かの青春の中心に、ずっと居続けてしまう。

連載情報

ウェブ小説

配信言語
小説を読もう
小説を読もう2026/05/10
  • 現在の作品神代瑠衣は青春しない