あらすじ
嫁ぎ先で「地味」「女として足りない」と容姿をあげつらわれ続けた伯爵令嬢 セレニア・ルクスフォード。
夫は社交界で評判の美貌の愛人を囲い、義母はセレニアの唯一の慰めだった小さな鏡を叩き割る。
「その顔を見る暇があるなら、愛される努力をなさい」
実家に助けを求めても、返ってきたのは「もっと夫に尽くせ」という言葉だけ。
すべてを失ったセレニアは離縁を選び、香料商を束ねる侯爵家で下働きとして働き始める。
そこで彼女は、香水師としても名高い侯爵 オルニス・ヴェイユベルト に出会う。
彼は、誰も褒めなかった彼女の手、声、感性、香りの記憶を静かに見つめて言う。
「君は、綺麗だ。顔の話だけではない」
割られた鏡の破片から始まる、離縁ざまぁと香水ロマンス。
薔薇園、夜会、香水瓶、香料商会、そして“自分を醜いと思い込まされた女”が、自分の香りで社交界を塗り替える物語。