あらすじ
土曜深夜二時。
声優・小倉和彦(おぐら・かずひこ)がパーソナリティを務めるラジオ番組『ダンガンミッドナイト』は、今夜もいつも通りの軽快なトークで始まった。
リスナーから届くたくさんのメッセージ。
日常の出来事、ちょっとした悩み、何気ない報告。
その中に一通、妙に静かなメールが紛れていた。
長野県の高校生から送られてきたその文章には、
助けを求める言葉も、怒りも、悲しみも書かれていない。
ただ淡々と、
「毎日、世界がモノクロに見えています」
そう綴られていた。
それを読んだ瞬間、小倉の胸に衝撃が走る。
このまま流してしまえば、番組はいつも通り終わる。
けれど――もし、この言葉を見過ごしてしまったら。
深夜のラジオブース。
マイクの前で、小倉はある決断をする。
これは、午前二時の電波に乗せて放たれた
たった一人のリスナーへ向けた言葉の物語。