あらすじ

明美(あけみ)の父親は、彼女が二歳のときに家をでていった。父親はプロ野球選手だった。明美は、母親と自分を裏切った父親、父親が職業としていた野球をずっと嫌悪していた。家族以外で父親のことを知っているのは、親友の香織(かおり)だけだった。 ある日、同じクラスの藤瀬(ふじせ)に、父親の過去を指摘される。動揺した明美は、藤瀬のことを叩いてしまう。母親にたしなめられ反省する明美だったが、次第に父親への興味がわいてくる。 父親の影響で男性不信だった明美は、趣味の音楽がきっかけとなり、同じクラスの真中(まなか)と親しくなった。将来のことで悩みを打ち明けられた明美は、彼に恋心を抱くようになった。 香織たちと毎年恒例の花火大会にでかけた明美は、昼に開催場所の運動公園の野球場で、ユニフォーム姿の真中を目の当たりにする。激しく狼狽する明美だったが、楽しそうにプレイする真中たちの姿を目にして、野球に対するイメージが変わった。その夜、藤瀬の父親があらわれ、明美の父親の活躍について熱く語った。 明美はネットで父親の動画を探した。日本シリーズで強打者を三振にきってとる父親の動画を見つけ、何度も繰り返し再生した。その日の夜、母親は離婚の真相を語った。母親は、父親の弱い部分を受け入れることができなかったと悔恨した。封印していた過去をさらけだしたことで、母子の絆はさらに強まった。 父親の住む地を訪れた明美は、そこで異母弟や再婚相手と出会う。再婚相手から、父親のその後をきいた。日本シリーズでの活躍後、父親は故障してしまう。故障は天罰だったと再婚相手は述懐するが、明美はこれを否定し、父親を支えてくれた再婚相手に感謝の思いを伝えた。 父親が新しい家族とともに、貧しいながらも幸せに暮らしていることがわかった明美は、いまの幸せを乱してはならないと考え、父親と会うことをやめた。 帰り道、背後から明美の名を呼ぶ男性があらわれた。明美は、父親への複雑な心境を吐露した。

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小説を読もう2026/05/10
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