あらすじ
スラムの売春窟に生まれ育った少女フィーナは、父の死をきっかけに、その店を継ぐこととなる。だがそれは、父の跡をなぞるためではない。貧困ゆえに身体を売るしかない女性や、罪に手を染めるしか生きられない子どもたちを救うため、彼女は社会そのものを変える決意を固める。
やがてフィーナは仲間を集め、悪徳領主や腐敗した権力者のみを狙う怪盗「ルチア」として暗躍を始める。予告状を送りつけ、巧妙な魔法と策略で標的を翻弄するその姿は、民衆から喝采を浴びる一方、法を重んじる貴族たちからは危険視されていく。
そんな中、かつてフィーナに想いを寄せていた貴族の少年アルフレッドは、彼女に拒絶されたことを機に力を求め、聖騎士となる。彼はなおもフィーナを救おうと願い続けるが、彼女は彼を守るためにあえて距離を置く。
一方でフィーナは、より大きな権力を得るため王都の賢者学院に潜入し、王子ジークとの婚約に近づく。しかしその裏で、法と秩序を絶対とする公爵令嬢アンナリーゼが怪盗ルチアの正体に迫っていた。
やがてフィーナの正体は暴かれ、全ての策謀は崩れ去る。逃亡の果てに待っていたのは、聖騎士となったアルフレッドとの再会――そして、彼の手による逮捕であった。
正義とは何か。法か、救済か。相容れぬ信念が交錯する中、少女は自らの選んだ罪と向き合う。