あらすじ

「クラウス様は、わたくしがいないと生きていけませんの。だから、アイリス様。婚約を、譲ってくださいませ」 婚約者と顔を合わせて十五分後、銀髪の聖女はそう言って涙を流した。 ここはヘリオス王国。「強き者は弱き者に譲る」を国是とする美しい国。 隣国カルディアから嫁いできた伯爵令嬢アイリスは、紅茶のカップを置いて、静かに答えた。 「お断りいたします」 ──私の国には、そのような美徳はございません。 婚約者を譲り渡せと迫る聖女。「君は強い人だろう」と困った顔で言う王太子。 「皆が幸せになる」と諭す国王。 だが、アイリスは知っていた。 クラウス殿下の元婚約者は、自分が五人目だということを。 そして、譲り続けた四人の令嬢が、今どうなっているのかを。 「譲り渡せと言われた婚約者に、未練は残りませんもの」 ヘリオス王国に譲られない令嬢が、初めて現れた日の話。 ※他作品との関連はありません。一話完結の短編です。 ※ハッピーエンド。元サヤなし。

連載情報

ウェブ小説

配信言語
小説を読もう
小説を読もう2026/05/10
  • 現在の作品『譲り合い』が美徳の国で、婚約者を譲らされたので出ていきます