あらすじ
婚約破棄された令嬢は、涙ひとつ見せず静かに頭を下げた。
——それが、すべての崩壊の始まりだとも知らずに。
従順な婚約者を演じ、本来の力も役割も隠して王太子を支え続けていた彼女が去った瞬間、王城は少しずつ狂い始める。
書類は滞り、判断は鈍り、すべてが噛み合わなくなっていく中で、彼はようやく気づく。
自分が、何に支えられていたのかを。
けれど。
気づいた時には、もう遅い。
従順なふりをやめた彼女は、すべてを手放し、二度と振り返らない。
そしてその選択は、彼女自身の運命さえも、大きく変えていく。