あらすじ
「君には価値がない」——五年間尽くした婚約者・暁人からの突然の婚約破棄。従姉妹の椿姫に心変わりしたという彼は、桜花を「地味で退屈な女」と切り捨てた。だが、桜花は泣き崩れるどころか優雅に微笑む。なぜなら、彼女こそが王宮薬師団も認める天才薬師。暁人が社交界で輝けていたのは、桜花が調合し続けた王族専用の「霊薬」のおかげだったのだ。その価値、庭園が三つ買えるほど。婚約破棄と共に薬の供給も終了——さて、霊薬なしで元婚約者はどうなることやら? 一方、桜花の才能を密かに支援していた隣国の辺境伯・黎明が現れ、彼女の前には新たな道が開けていく。捨てられた令嬢の華麗なる逆転劇、開幕。散らされた桜は、より美しく咲き誇る。