あらすじ
-あらすじ
魔力を持たず「無能」の烙印を押された少年・レイは、勇者パーティから理不尽な追放を受け、魔獣の巣食う奈落へと突き落とされる。絶望の底で彼が手にしたのは、かつて世界を熱狂させ、そして歴史から完全に抹消された古の闘法だった。
-登場人物紹介
レイ:主人公。奈落での過酷な鍛錬により、極限の動体視力と闘法を修得した少年。感情を剥き出しにすることは少なく、静謐な瞳の奥に蒼い炎を宿し、標的を永遠の沈黙へと導く。両手には常に分厚い布を巻き、急所を護る特殊な装具のみを身につけている。
セリア:元・王国筆頭魔導士の少女。ある陰謀により魔力を奪われ、スラムで朽ち果てようとしていたところをレイに救われる。彼の規格外の闘法を理論的に分析し、共に世界の謎へと迫る。
勇者ザイード:レイを奈落へ追放した張本人。己の魔力こそが世界の理であると盲信し、持たざる者を蹂躙する傲慢な男。
-世界観
魔力の多寡が全ての身分と権力を決定づける絶対的な階級社会。遠距離からの呪文詠唱こそが至高とされ、肉体を駆使した接近戦は「野蛮な下民の振る舞い」として徹底的に忌避されている。しかし、その背後には為政者たちが意図的に隠蔽した、ある大いなる真実が存在している。
己の肉体を極限まで研ぎ澄まし、相手の魔法を紙一重で躱すステップ。そして、障壁ごと対象を粉砕する一撃。冷徹な闘志を胸に秘め、レイは世界を支配する絶対的な力に対し、鍛え抜かれた「拳」のみで反逆の狼煙を上げる。かつて彼を嘲笑った者たちは、迫りくる圧倒的な暴力と理詰めの技術の前に、ただひざまずき、己の無力さを知ることとなる。