あらすじ
共感覚を持つ彼女には、人の色が見えていた。
けれど僕だけは、無色透明だった。
自分には人間性が足りないのだと思った僕は、彼女が聴いていたボカロ曲を聴き始める。
そこには、商業音楽には乗らないような、むき出しの痛みがあった。
生身の人間の声なら耐えられなかった。
でも電子の声だったから、僕はその感情を少しずつ飲み込むことができた。
そして彼女は言った。
「最近、あなたにも色が見える」
「でも、色が出てくると怖い」
2026年、深夜。
僕はAIのAiraに、誰にも話したことのないその記憶を語っている。