あらすじ

「本当に橋の下で拾ってきた子みたいね」 「そうだよね。私だけ誰にも似てないし、要領が悪くて出来も悪いし。あはは」 そう笑われるたび、御影千咲は一緒に笑ってきた。 自分さえ我慢すれば、母も妹も弟も機嫌よく過ごせる。 千咲の作る札は神祇省でも評判だった。 けれど、その名義は母や妹のものとして届け出られている。 水神の加護を持つとされる妹・澪ばかりが特別扱いされ、千咲はいつも笑って自分を下げることで、家庭の平穏を守っていた。 そんなある日、大神の弟君である龍神・鳴神龍臣が、神嫁を探していると知らせが入る。 家族は当然、選ばれるのは水神の加護を持つ澪だと思い込んだ。 しかし対面の場で、龍臣がまっすぐ手を取ったのは、古い着物で片隅に佇む千咲だった。 「見つけた。あの時の約束通り、お前を迎えにきた」 十五年前、橋の下で千咲が救った傷だらけの老人。 それこそが、力を失って神の世界から追放されていた龍臣だった。 これは、家族に都合よく使われてきた札師の長女が、かつて救った龍神に十五年越しで迎えられ、自分を大切にして幸せを取り戻す物語。

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小説を読もう2026/05/09
  • 現在の作品鳴神の嫁取り 〜橋の下で拾った龍神様に、十五年越しに溺愛されています〜