あらすじ

桶狭間、金ヶ崎、長篠、手取川、山崎、北ノ庄、大坂、原城。 歴史に名を刻んだ戦の陰には、勝敗の一語では語りきれない人間の声がある。 敵将の首ではなく、勝利へ至る道を探った男。 主君を逃がすため、落日の退き口に残った男。 籠城の闇から、命を賭けて声を届けた足軽。 北陸の雨と敗報に、天下の限界を知った信長。 大義が謀反へ変わる瞬間を見た光秀。 娘たちを未来へ逃がし、燃える城に残ったお市。 豊臣の名を勝者に渡さぬため、紅蓮の大坂に沈んだ淀殿。 奇跡を起こせぬまま、祈りを背負わされた天草四郎。 本書『戦国血風録』は、合戦の華やかな勝利ではなく、その裏で人が何を恐れ、何を守り、何を失ったのかを描く歴史短編集である。 戦とは、刃だけで決まるものではない。 情報、退却、叫び、敗報、沈黙、母の決断、祈り。 そのすべてが、時代を動かした。 戦国の血風は、勝者の旗の下だけで吹いたのではない。 敗れた者、残された者、名を語られなかった者たちの胸の中にも、確かに吹いていた。

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カクヨム2026/05/09
  • 現在の作品戦国血風録