あらすじ
学園都市ルートゥス、表通りから外れた裏路地の酒場「霧の月」。
店主のクロード・ヴェスパは、ある雨の夜、客が忘れていった古い銀貨を懐に入れた。
それが契約術の触媒だったとは知らずに。
「契約成立じゃ」
朝、酒場の隅に老人が座っていた。霧の旧神ミストヴェグル。
三千年前に信仰を失い、ただ漂うだけの存在だった彼が、銀貨を介してクロードと契約してしまった。
「儂に酒を飲ませろ。代わりに何か授けよう」
クロードは断れない。契約術は絶対だ。
さらに翌日、宴神フェスティヴァスが「面白そうな匂いがした」と扉を蹴破ってきた。
僥倖神フォルトナリスが賭け事に勝った報酬を寄越した。
なぜ俺の酒場で、神々が酒盛りしているんだ。
──ちなみに、断罪神カスティグノスの神官たちが、店の前で挙動不審に立ち止まっている。
【外伝注意】 本来、神々が地上に顕現することはありません。
古代の触媒「銀貨」が引き起こした、特異な状況下の物語です。