あらすじ

平安の都、京。 夜ごと井戸が赤子の声で泣き、辻には名を失った神が立ち、宮中には不吉な雷が落ちる。 それは、ただの怪異ではなかった。 人に忘れられ、座を失った神々の声だった。 天皇家の分家、天嗣宮家の長子・天嗣宮成仁。 彼は、表の神名帳に載らぬ神々の名を拾い、失われた神座を開く秘儀を受け継ぐ少年神官である。 けれど成仁は、神を敬うあまり、人の悲しみをまだ知らない。 そんな彼の前に、伊予より一人の少女が現れる。 名は、愛比売椿。 白拍子を舞い、土地の神と人の暮らしを知る神祇人の娘。 「神は、御簾の奥だけにおわすのではありません」 忘れられた神。 泣き続ける人。 都を焼く火。 そして、雷となって京を呪う怨霊、菅原道真公。 これは、神の名を拾う物語。 そして、人の痛みを拾う物語。 少年神官は、裏神名帳を開く。 第二の国造りを始めるために。

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カクヨム
カクヨム2026/05/09
  • 現在の作品裏神名帳 ~神座を開く者~