あらすじ
「助けて、お願い、誰か——」
同時接続三百八十万人が見ている前で、Sランク配信者は床を這っていた。
失禁し、汚物にまみれて。
ダンジョン経済の時代。
配信者は同接百万、年収十億円。だが彼らは知らない。
その派手な戦闘は、すべて 裏方の物流コンサル に支えられていることを。
俺の名前は、常磐廉。Lv1の非戦闘員。
世界中の探索者からスキルを預かり、戦場に物資を秒単位で届ける、業界最強の "支配人"。
クライアントの一人——Sランク配信者・アリアにワインをぶちまけられて契約解除された日。
彼女は俺の補給を切られたまま、ソロ討伐配信に挑み、三十分で物資が尽きた。
仲間に見捨てられ、ボスに殺される寸前、配信中に膝をついて泣き叫び、世界中の視聴者に晒された。
その瞬間、契約管理局が 生命所有権の強制差し押さえ を執行する。
汚物にまみれて床を這う彼女に、俺は静かに告げた。
「清掃代も違約金に上乗せしておきますよ。
あなたはもう、人間ではない。
私に差し押さえられた、不良債権です」
債務総額、八十七億円。
今夜から彼女は、私のサロンの備品(INV-001)として、生きることになる。
——これは、騙され、堕とされ、踏みつけられた女たちが、 "棚卸(バニー軍団)" として最強クランに育ち、彼女たちを食い物にした連中を 一人残らず差し押さえる 物語。
返済が進むほど、自由は近づく。
だが彼女はもう、自由を望んでいない。
「あと幾ら払えば、私は——出ていかなければならないんですか」
物流(バックエンド)が、世界(フロント)を支配する。
冷酷な敬語と、契約魔法と、依存の物語、開幕。