あらすじ
「痛みが、見える。触れる。動かせる」
主人公の凪(なぎ)は、人の心に溜まった「痛み」をサンプリングし、別の場所へと再配分できる特殊な能力を持っていた。
崩壊寸前の家庭。心を病んだ母。不登校の妹。
凪は家族を救うため、その優しさから能力を振るい続ける。
母の苦しみを取り除き、妹の不安を削り取り、家庭に理想の平穏をもたらしていく。
しかし、凪が家族から「剥がした」痛みは消えてなくなるわけではなかった。
押し出された歪みは、見知らぬ誰か、そして外の世界を確実に壊し始める。
「苦痛のない妹は、本当に私の知っている妹なの?」
「この平穏のために、誰が犠牲になっているの?」
正体不明の怪異「風狸」が囁く中、凪は究極の選択を迫られる。
愛する家族を救うために世界を犠牲にするのか、それとも痛みに満ちた現実を引き受けるのか。