あらすじ
「勇者(あなた)はいらない」
笑顔でそう言い放つのは、エリュシオン帝国第八皇女リンティアナ。
数百年に一度の超絶レアスキル『魔法帝』を持って生まれ、勇者以外には倒せないと言われてきた魔王をあっさりテイムした彼女は、いわゆる転生者だった。
三歳のある日、リンティアナは積み木で額を強打した拍子に前世の記憶を思い出す。更には大嫌いな小説の『顔だけは良い四股クズ男(勇者)のために犬死にする魔法帝』に転生していることを把握し「無理なんだけど!」と叫ぶ。
筋金入りの面食い癖のせいで『クズ男ホイホイ』とまで呼ばれた前世では、死に際にようやく「クズ男が格好良いのは二次元まで」と悟った。この教訓を胸に、今度こそ幸せな恋愛と結婚をするのだ!と決意する。
専属従者アルトランテとともに死に物狂いで自身を鍛え上げ、なんやかんやあって魔王のテイムに成功。かくして世界は守られ、原作改変が完了した。満を持して「さぁ婚活だ!」と意気込んだのだが……。
国内の貴族からは「畏れ多い、ってか怖い」とお断りの嵐。「なんでよぉ!?」と嘆きつつも、リンティアナはめげずに外国での婿探しに乗り出す。
隣接する三国へ狙いを定めるが、何やら事態は思わぬ方向に。どこのラノベだと言いたくなるような婚約破棄からの断罪茶番劇に、辺境伯の謀反疑い、更には王位簒奪のクーデター……。そのどれもをリンティアナは魔法と正論でビンタしながら捌いていく。
婚活をするはずが、結果的に世直しをして回るリンティアナ。
実は誰にもリンティアナを渡す気などない激重愛情を抱える専属従者アルトランテ。
前世から通算五十路半ばの年甲斐もなくワタワタする恋愛ポンコツ魔法帝と、外堀絶対埋めるマンの腹黒専属従者との、クスッと笑えて時々ウルッとくる世直しと恋のお話です。