あらすじ
エヴァン・グレイソンは、もう誰も守らないと決めていた。
かつて米陸軍少尉だった彼は、戦場で仲間を失い、異世界の港町アレフでパン屋になった。
地球へ戻るゲートはすでに閉じている。
故郷には帰れない。
それでも、パンを焼いていれば一日は終わる。
それでよかった。
だが、森の中で拾った少女だけは、放っておけなかった。
記憶を失った少女、シャルル・ラピス。
彼女はラピス皇国の第二皇女であり、世界の均衡を揺るがす神秘《ティファレト》を宿していた。
誰にも守られなかった少女。
誰も守れなかった男。
二人の出会いは、やがて列強と魔王領、北方諸国を巻き込む戦争の火種となる。
それでもエヴァンは、もう一度だけ手を伸ばす。
彼女を、一人の少女として守るために。