あらすじ

「いいね」が消える日が来る、と誰かが言った。 はじめに消えたのは、他人のものだった。次に、自分のものがひとつ、またひとつと減っていく。理由は知らされない。ただ、確かに触れたはずの痕跡だけが、静かに世界から剥がれ落ちていく。 教室の窓際、光のなかで笑っていた彼女の投稿に、私は一度だけ触れたことがある。言葉の代わりに差し出した、小さな肯定。名前を呼べなかった私にとって、それは確かに存在したはずの選択だった。 だが、それも消える。 触れたという事実が消えたとき、残るものは何か。あるいは、最初から何も残っていなかったのか。 過ぎ去った時間と、呼ばれなかった名前のあいだで、私はまだ立ち尽くしている。 これは、記録にも記憶にも留まらなかった感情についての物語。

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小説を読もう2026/05/08
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