あらすじ

十七歳。 本来なら、名家の娘として嫁ぎ先を選ばれるはずだった少女・**白蘭(はくらん)**は、今では後宮の片隅で水桶を運ぶ下女になっていた。 理由は、顔。 ――正しく言えば、顔を爛れたように見せる特殊メーク。 薬や香、鉱石の知識に取りつかれた白蘭は、叔父のもとで理にかなった学びを重ねるうち、高貴な家の女として飾られ、値踏みされ、嫁がされる未来に耐えられなくなった。 だから自分で、自分の商品価値を壊した。 そばかすでは足りない。もっと決定的に、誰も欲しがらない顔になればいい。 そうして彼女は、現代の特殊メークにも通じる発想で、火傷のような爛れを作り、名家から追い出された。 叔父の家で薬を扱う下働きをしていたある日、届け物の帰りに近道をしたせいで、人さらいにさらわれる。 目を覚ました時には、王宮の外廷。 白蘭はそのまま、後宮に下女として売られていた。 醜い仮面の下に、ほんとうの顔を隠して。 だが後宮は、美しい花ばかりが咲く場所ではない。 毒、流産騒ぎ、消える香料、笑ったまま嘘をつく妃、そして夜ごと廊下を歩く“仮面の女”の噂。 誰も気づかない違和感を、白蘭だけが嗅ぎ取ってしまう。 これは、醜い仮面をつけた元名家の少女が、 薬と観察眼で後宮の闇を暴き、 やがて自分を捨てた家も、宮中の秘密も、すべてひっくり返していく物語。

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カクヨム
カクヨム2026/05/08
  • 現在の作品仮面の下女は後宮の闇を嗅ぎ分ける ~ただれ顔を作る薬で家を追われた元名家の娘、売られた先で毒と嘘を暴きます~