あらすじ
伯爵令嬢リーゼ・エルフォードは、王宮の夜会で王太子エドガーから突然の婚約破棄を告げられる。
理由は「魔力なし」。
王太子は華やかな力を持つ聖女ミリアを選び、リーゼを役立たずと笑った。
けれどリーゼの本当の才能は、魔法を放つことではない。
壊れた魔導具に宿る記憶を読み取り、誰にも直せない国宝級の魔導具を修復することだった。
婚約破棄と同時に王家との修復契約も終了したリーゼは、王宮を去る。
すると、王都を守る結界鐘や建国剣に異変が起こり始める。
一方、行き場を失ったリーゼに手を差し伸べたのは、北方辺境伯ヴァルター。
彼の領地では、人々を寒さから守る古代炉が壊れ、民が凍える危機に瀕していた。
リーゼはそこで初めて、自分の技術を正当に必要としてくれる人々と出会う。
捨てられた令嬢が、壊れた魔導具を直しながら、自分自身の居場所と誇りを取り戻していく物語。
そして、彼女を役立たずと切り捨てた王家は、やがて知ることになる。
国を支えていたのは、輝かしい聖女ではなく、地味な修復師の手だったのだと。